復讐の夏/soft_machine
さぁ今日はこれから復讐だと息巻き
コテンパンの返り討ちの目に遭うのが好きなボクは
今年の夏も
架空の敵に押し寄せ
架空の返り討ちに遭っている
復讐の完遂だけを誓うボクの夢想家としての血は
架空の奥深さにも拘る
夢の中で踊ることと
夢そのものが踊ることはピンから違うのだよって
言ってやって誰か
存外ボクは倹約家であり警世家でもあるもんで
マキャヴェッリと
キャヴェッツとが好き過ぎて
モニター内の白と黒が少数の色和に過ぎないと諭された途端
だったら自分の身も同様に標準化されて然るべきだと閃いて
コテンパンの道を辿るひと足ごとが
目覚めて見ている夢だと知らないふりして
生きてるって断言する
或る階段を降りながら
違う階段を昇る
こうしてゲームで死んだりするうちに
ボクの中で痛みや哀しみを吟味する必要はなくなって
ボクの何も出来ない宗教が青空で祈っている
ボクの仔鳥の巣が焼かれている
それらを漠然と過去にする夏の雨の一部となって
たこ焼き食ったり
扇風機を掴んだり
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