Egg Shell(脆いが硬い)/ホロウ・シカエルボク
 
るけれど、まるで逆のような気もした、確か壁を背にして座っていたような気がする、とても日常的で―ささやかな行動をしようと考えていたような気がする、でも本当にそうだったかと自問してみると、それは昨日考えていたことのような気もした、要するにこの状況について俺が今説明出来ることなどなにもなかったということだ、なにかが床を這っている気がした、実際に音は聞こえてきていた、それもはっきりと誰かが床を這っていると確信出来るほどの距離だった、首を振ってもう一度目を開けてみると四つん這いになって笑っているのは俺だった、何故だ、答えなど無いことはわかっていた、といって、疑問が生じないかといえばそれはまた別の問題なのだ、
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