帰宅/
霜天
抜け出す術を知らないことに、いつだって後になって気付く
そこからはその場所で
保存されている
遠くなった日の夕焼けがまぶしかったこと
いつだって帰れるように、と
目を閉じる
この街も、もうすぐで朝になる
帰ろう
と君は静かに叫んでいる
僕はまた横断歩道を少しずれたタイミングで渡る
今日が、またここで同じ今日になっていくのを
君は黙って通過する
理解したようなふりをして
割切れない自分が
昨日が剥がれていくあたりで
保存されたままに、なっている
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