穴/soft_machine
 
雨があがり 黒い蝉が騒いで
真昼の月と目が合った
月にあなたは穴なのかと問われ
自分がいつの間にか大穴だったのことを知った
細くて 丸くて 白い月は
とてもゆっくり喋る
そして地球の周りをひどくびゅびゅん翔ける

私は穴になりたいとずっと思っていたから
穴であったことがとてもうれしく
亀に出入りさせてたり
蟹でもいいな と、期待する
猫は来ない
後ろを向いて少しづつ離れてゆく愛に照らされ
穴の奥の温もりは保たれる

私の穴は一箇所型だから
行き止りタイプの長所短所を汎く報せて
誰でも大きく容れて欲しいと願う
形のないものだといいな
なんて思ってみたり
容れ
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