朝のくま、夜のくま/
はるな
夜のくまは一匹で月を空に押しあげる
おもたい満月も 脆い三日月も
一匹で
ひとりは、孤独をつくらないから
淋しくても平気だった
自分のからだを磨いたあとにやってくる
眠りを受け入れれば良くて
朝のくまたちは
大勢で 月をおろすのだ
夜をまわってくたびれた月
わたしの部屋にも
かつて朝のくまをしていた男がいて
新月の夜には
淋しい、悲しいと
一晩じゅう物語をつくっている
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