The Show Must Go On。/田中宏輔
 
「真実なんて、どこにあるんだろう?」と、ぼく。
「きみが求めている真実がないってことかな?」と、詩人。


でかかった言葉が、ぼくを詰まらせた。


文章を書くということは、自分自身を眺めることに等しい。


 まあ、実数である有理数と無理数が、ひとつの方程式のなかにあって、それぞれ独立しているという事実には驚かされるが、あるひとつの数、たとえば、1の隣にある数がなにか、それを言ってやることなど、だれにもできやしない、ということも不気味だ。おそらくは永遠に。いや、かくじつ永遠に。しかし、もっと不気味なことがある。これは、という人物に、このようなことに思いをはせたことがないかとた
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