Cut The Cake。/田中宏輔
、ヒューストン、聞こえるか?』伊藤典夫訳)愛そのものとなって、交歓し合うのである。もちろん、「トイレットのなか。ジーンズの前をあけ、ちんぽこを持って」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』伊藤典夫訳)その愛は、すぐれた言葉の再生によってもたらせられたものであり、「彼は自分のものをしごいている。」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』伊藤典夫訳)やがて、文章中のあらゆる言葉が、つぎつぎとその場所を交換していく。場所も、時間も、事物も、「くわえるんだ、くわえるんだよう! う、う──」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
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