詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その3。+あとがき/たま
まり、おのれの死に際がほぼリアルに映像化されるということで、そうなると、どうしても知りたくなるのがわたしに残された時間になる。
日本人の平均寿命は男八十三歳、女九十二歳だという。だとしたら、わたしの余命はあと一三年になる。そんなの嘘だろといいたくなるが、目一杯オマケがついたとしても一五年だろう。というか、古希が過ぎたら残り時間はすべてオマケなんだとおもうのがいい。なんとなく得した気分でいられるから。
でも、オマケ気分で生きられるかというとそれこそ嘘になる。わたしにはまだまだ追いかけたい夢がある。夢の入口にはいつも塵みが落ちているのだ。塵みは拾ってなんぼ。わたしの夢はそこに塵みがあるから追い
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