また来る夏のソネット/
佐々宝砂
もう懐かしの七月は遠い、
なんてほざいてるあいだに
六月が来て、六月の夜の都会の空は、
まあ、遠い、物理的に。
うん、ここが都会じゃないのは
しょうがない。
それでも見上げる夜空には
星が全然見えないなあ曇りだ。
焼酎をなめつつ
しつこく見上げる夜空の向こうに
キャトルミューティレーションがあったりして。
今年も夏は来る、
なにごともなくしかしなにかが起きる、
夏の空は常に不穏であるべきだ。
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