Sat In Your Lap。II/田中宏輔
が、ぼくに書かせているような気がしてきた。というよりも、さらに、言葉自体が書いているのではないかとさえ思えてきた──ぼくの目と頭と指を使って。
どちらが原因でどちらが結果なのか、
(アラン・ライトマン『アインシュタインの夢』一九〇五年六月十日、浅倉久志訳)
原因と結果の同時生起
(ブロッホ『夢遊の人々』第三部・七、菊盛英夫訳)
詩人が遺したノートにある言葉を使ってみたのだが、この「原因と結果の同時生起」という言葉はまた、詩人が別のノートに書き写していた、マルクス・アウレーリウスのつぎの言葉を思い出させた。
つねにヘーラクレイトスの言葉を覚えていること。
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