風邪をひいて/短角牛
 
37℃を超えたあたりから ちょっと虚な意識の中で

なんとなく ようやく

スマホの写真を消し始めた

一緒に行った旅行 あなたの写真だけ消していくと

あの時間から あなただけが消えてしまったような

まるで大きな陰謀が動いているような そんな気持ちになった

これは良くない 不自然だ

かと言って全部消す気にもなれず

自分の写真も一緒に 削除した

交わりは夢のように消えていった

熱にのぼせて

さよならと言ったような、言わないような

短い夢を何度も見ながら 夜が深まる



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