恋のけもの/秋葉竹
 




恋って、不思議
架空の世界をみせてくれるから
なんだかキラキラした空気が
朝早くから幸せでくるんでくれる

だれにもらった訳でもない
平穏でなだらかな生活とか心とか
パリパリ音を立てて食べられる
コンビニのおにぎりの海苔にさえ
なにかの魔法を感じてしまうくらいの
幸せさ

痛んでも痛んでも手放さなかった
あのあたたかな気持ち
だけがまるで清潔な夜の寝床で
ぐっすりと眠る手助けをしてくれる
のならそれは嬉しい痛みなのかもしれない
ほんとうはやるせない痛みなのかもしれない
なら気づかないフリだけは
上手にこなせる自信はあるかな

性、
という
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