悲しみのミイ/秋葉竹
 


  

その炎が走ることが
わたしの命のトモシビが灯ることだと
こころのなかを正確に吐露してくれた
旅人になりたかったミイは
とても元気に軽やかに憎々しく
他人やほかの動物や草花のさえ悪口を云う
憎まれ口を叩くことで
じぶんが好かれない言い訳を作る

リングの上に立ち観客を笑わせる
クラウンになりたいと想って
目と鼻と口に滑稽な色とりどりの
隈取りをしてとりわけ
悲しげな表情のときは
目にいっぱいの涙さえ浮かべてみせ
手足はできる限り大袈裟に振り回して
このテントの中でいちばんの人気者に
なりたいと想っても
あまりに心が明るくて綺麗なので
だれから
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