散らばった骨はひとつところに集めておけばいい/ホロウ・シカエルボク
静物たちは沈黙し続けながら俺たちの詩を見届けようとしている、きっとやつらにとっては一番興味深い現象なのだろう、そしてそれは余程の例外を除いては滅多にお目にかかれるものじゃない、当人の俺たちにしたって一生に一度のことだ、もっとも、どこまでを一生と定義するかにもよるけれど…俺はある意味で生命を放棄したみたいに眠り続けていたがわずか数時間でそんな状態は終わりを告げた、もう二度と眠ることが出来ないかもしれないと思うくらいれっきとした覚醒だった、上半身を起こし、窓越しに打ち付ける雨の音を聞いた―雨という現象はある意味でボーダーレスだ、そこには過去や記憶、現実などといった線引きを曖昧にさせるなにかがある、
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