散らばった骨はひとつところに集めておけばいい/ホロウ・シカエルボク
 
る、そう、まるで真夜中に誰も居ない街をうろついている時に感じるような感覚だ、俺はその瞬間も確かにそんな、時間の狭間に落ち込んだような感覚に触角を震わせていた、数分とも数時間とも思える時間が過ぎてようやく起きる気になったけれど、はっきり目は覚めているのになにひとつ照準は定まらなかった、気圧の問題なのかもしれない、あるいは目を覚ました時に、あらゆる感覚を使い果たしたのかもしれない、そう考えてみると確かに、今日の目覚めは一日のバランスという意味ではまるでなっちゃいなかった、退院する日みたいにベッドを降り、洗面所で朝やるべきことのすべてを済ませた、雨の音は催眠術を目論んでいるみたいに不規則なリズムでずっと
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