(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
じような言葉を必死で繰り返しているだけだっただろう。
けど、ぼくはこんなに必死に叫んだことはなかった。
父の死の際もここまで大きな言葉は使わなかった。
父の死が末期の肺がんで、最後の数週間は意識のない状態でいたことが
心が”死”をゆっくりと得心できる時間を作れて、
穏やかな、変化のない呼吸をしているか否かの変化に落とし込めていたのかもしれない。
しかし、さっきまで座椅子に爪を立て抱き上げると文句をいっていたのに、
抱き上げたぬくもりを膝に残したままで冷たくなっていくきみは、
あまりにもさっきまでの日常と違いすぎるよ。
呼吸が止まって1時間。ずっと二人で叫び続けていた。
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