(n((o),(w)),)(h)ere)詩人はきっといつか詩を書けなくなる/竜門勇気
 

母は昔から、死んでしまった生き物の姿が苦手だと言っていた。
「猫が、ああ、猫が、ああ、」と猫を抱いているぼくに
「みたくない!」と言ってどこかへいこうとした。
トイレか、物置か、この部屋ではないどこかへいこうとして立ち上がって歩き出した。
ぼくは褒めてあげて欲しい、と叫んだ。
いっぱい頑張って今日まで生きて一緒にいてくれたのだから、
「まだ聞こえてるから!まだ伝わるかもしれないから!」
母猫に見捨てられた後、我が家にきて
少しずつ分かり合いながら生活をして
どんな時もこの家の中で、喧嘩したり、寄り添ってみたり、
お互いに通じない言葉で話し合ってみたり、
分かり合えないこ
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