君と僕とカクテルと/ヤマト
「君が好き、と、君だけが好き、は違うのよ。」
そう言った限り黙り込み、ただ頬を光らせ、
ボストンクーラーを飲む君の姿をまっすぐ見れなかったのは
ただ僕が若いからだけではなかったのだろう
酔いたくても酔えない夜
ってのが人間にはどうしてもあって
そのとき限りはビールも天狗舞もワイルドターキーもマティーニも胃を焼くように
気分を悪くさせるだけの飲み物でしかない
初めて2人で酒を飲んだあの日
もしかしたら、お互い酔った振りをしていたのかもしれない
ただ寂しくて、暖めあうように寝ることしかできなかったあの日から
僕達は成長することができたのだろうか?
「あなただけが好き」
僕にはまだこの言葉を言う資格が無い
だが、あなただけが好きでいられるように
これからも生きていきたい
気持ちよく酔えた次の日に
笑顔で君を見られるよう
今日も僕たちはお酒を飲む
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