おじいちゃん自決して下さい/紀ノ川つかさ
 
少子化が深刻になって
教育方針が変わり何年か過ぎた

僕の体が動かなくなってきた頃
孫がやってきて僕に言う
おじいちゃん自決して下さい
動けなくなる前に

僕は仰天する
僕たちはお前のお母さんを
たくさんの愛情をかけて育て
お前のこともずっと愛情を持って
見守ってきたのに
その相手にお前は死ねというのかい?

すると子供は笑顔で答える
もちろんお父さんやお母さん
おじいちゃんやおばあちゃんに
たくさんの愛情を注いでもらった
だから私は私の子供や孫たちに
いっぱい愛情を注いであげるんだ
みんなが私にしてくれたように
そのためにはぜひ子供をつくりたい
子供
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