炎の中で書き続けている/haniwa
 
いと信じ込んでしまったから
書くしかないと思いこんでしまったから

君が隣にいることも忘れてしまって
いつの間にか言葉は僕らの背丈よりも高く、高く積み上がってしまっていて

僕は袂からライターを取り出し
書きかけの原稿用紙に火をつける
そこには世界の秘密について書かれていたのだけれど
そんなものは一瞬にして灰になってしまう
そして火は腹を空かした赤ん坊のように燃え広がって言葉を焼き尽くしてゆく

それでも君は書き続けている
炎の中で書き続けている
言葉を、言葉を、言葉を、言葉を、

炎の中で書き続けている
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