「さ」の短歌/秋葉竹
さみだれに
乱れて回る風車には
あがない戦うなにかがみえた
寂しさを
ドレミで云えば根拠なく
そいつはシだねと云い切る唇
ささくれた
こころをやさしく撫ぜる手が
この手であれば撫ぜたい疾風
さやさやと
リボンが風で飛ばされて
いるけどだれかが泣いているのか
サイコロで
決める賭け事みたいな夜
悪いひとでも好きになりそう
魚たち
の目にはちいさな星があり
夜風はいつも星をみて吹く
さよならと
きちんと云えたことがない
なみだなみだの傷だけ増えて
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