冬の終わり/
千波 一也
あなたが手紙をくれたから
日々が春へと向かっていることに
気がつきました
いつの間にか
硬く
冷たく
難しくなっていたわたしを
あなたはどこで笑ってくれますか
わたしの返信を
望むあなたも
望まぬあなたも
どちらも正しいものならば
春をしばらく
たしなみましょう
三月終わり
冬と呼ぶには
遠い場所だと
わたしはようやく
気がつきました
戻る
編
削
Point
(7)