夕焼けのうた/秋葉竹
 



  

山嶺に夕日が沈もうと
雲はまだ
夕焼け空に浮かびつづけている

寂しがりのオレンジ色から
静かに終わる紫色へ
ひととき
ひととき
色を変えてゆく

ありえない奇跡を
みせてもらったわけでもないのに
こころの芯まで
やさしく撫でてくれる

夢の中の夕焼け小焼け

なにか香ばしい匂いが
してくるみたいな
でもそれがなにの匂いなのかは
ぜったいにわからないみたいな

微笑むあなたの横顔
だけじゃなくて
嘘みたいな涙まで
頬に伝えた?

ガラス窓に寄りかかりそうになる
銀の一輪挿に白い花
散るまでは淡々と
佇んでいるだろう
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