なにひとつ簡単なことはない/秋葉竹
 
  

悲しみがいつまでもまだ降り落ちて
優しいふりをできずに笑った


しあわせがあるから心がもういちど
立とうとすると云いたい週末


曲がらないこころに意味はないからと
云いきかせている諦めの春


気がつけば生きてることをしあわせと
ぐっすり眠れるだけで想える


香り立つ青葉の季節におなじこと
云えるわけないただ好きなんて


悲しみが嘘とも想えるそよ風が
春を運んでやって来る午後


わからないこころをわかる気になった
とてもゆっくりセンチになって


まばたきもせずにまっすぐ君をみて
その名を呼んで瞳を閉じよう


なにひとつ簡単なことはないという
訳ありみたいな声でささやく





戻る   Point(3)