ひとりでなく/秋葉竹
 



  

ゆっくりと
川面を流れ海へゆく
ため息みたいな声の寂しさ


逃げるのが
遊びだからと割り切って
正しい恋もできないくせに


よろこびに
震えてみたのは十代の
あの日だけだと限らないだろ


軽口で
好きと云いたいわけじゃない
信じてくださいただヘタなだけ


紙屑を
ぎゅっと握ってゴミ箱に
投げた深夜のなれの果てかな


月よりも
綺麗な笑顔が透き通る
まぼろしみたいにさわれない頬


たましいが
ギィギィと鳴る深い夜
たったひとりを抱いて泣き出す











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