光輪の途行き(改訂)/ひだかたけし
 
息するイメージの数々、
裸木の枝群れ陰影に消え

 死の影の谷をいく光輪、

断崖絶壁の底迄眼前にし見据え
虚無の相貌に恐怖することなく

真夏乾いた庭に舞った狂女の如く、

自らの言の葉、舞わせ震わせ躍らせ
声の振る舞い全身からの能動覚醒、
血の流れ律動を呼び起こし
地の力と宙の美を調和させ

 やはらかな意志の許、

ひと息断崖絶壁に身を投じ

死の影の谷 優雅厳粛に越えゆく。


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