花びら舞う夜にみつけたハッピー/秋葉竹
そういえばわたし
ハッピーになったんだった
だから夜が好きになって
バランスのいい安心を
抱いて胸を撫で下ろすことができるんだ
なにが流れているか
なにもみえないからわらない
同じわからなさが
すこし引き攣った真顔にさせる
海への出口の大きな河を跨ぐ
鉄橋のうえからみおろす
漆黒の波が
振り返らずに海の方角ををみて
しずかにしずかに流れてゆく
三月は
港湾に花びらが舞ったりする
月が照らす沖ゆく客船は
ちいさな島の影にかくれて
いつのまにかにみえなくなった
その島にも
花びらはゆっくりと舞っている
そんな気が
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