昇音/
木立 悟
た
青にひらく青のさんざし
冷たく そして熱いからだに
ころがり消える泡の世界を
分かれつづける空と光を
数えることをやめた指さき
微笑む目もと
口もとに触れ
傷と水にあふれる手のひら
昇りつづける音のかたちに
目ざめのかたちに触れてゆく
鳥は鳥に
歌は歌に
誰のためでもなく現われている
朝を包むふたつの腕が
羽に覆われてゆくのを見つめて
ひとつのなかの無数の空へ
声はふたたび声に生まれる
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