歌姫/atsuchan69
 
幻のステージに、
昭和を生きた女がいる

鳥の羽根で飾られた衣装を纏って
ジャズとロックンロールと演歌を混ぜた
──アジアンであり、
──洋風でもあり、
戦争に負けた戦後の日本みたいな
哀しくも夢のある不思議な歌を
 孤独と、
 華やかさと
焼け野原を想わせる
果てのない声で歌いつづけた

 いつだったか、
 真昼のラブホテルに
 若い男ふたりと
 高級車でやって来て、

 ──内緒──

そんな思い出なんか ZARA だ

 わたしは歌姫、
 誰にも文句なんか言わせない

強いライトの光と、
セピア色の瓦礫の街、ハワイの海、
ブラジル日系移
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