こころを撫ぜるうた/秋葉竹
 


もうこうなったら攫っちゃうしかない
と手首をつかんで走り出そうとするが

ジッと目をみて首を横に振る意志は
そうでなければ生きてゆけないほど重い

無口じゃなきゃ良かったなこんな
好きさえ伝えられない悲しみが嫌で

食べ歩きするクレープは
トマトとカラシレタス味のやつ

ひとってだれしも好きなものに
好きって云われて過ごしたい

かといってひとのものを盗むのは
心が闇へと焼き尽くされるから嫌で

謝れば許してくれるならいくらでも
心の正しい謝罪をなんどでも繰り広げる

花鳥風月しみじみ感じ
両手をあわせて風来に祈る

ちゃんと目をみて話そうと
ちょい嘘まじりの未来の言の葉こぼれる







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