いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
 
着けていました。それが、はるかなもののようで、わたしには触れることさえできないような気がして。わたしはふとめまいさえ覚えたのです。
 輝くものにたいして、わたしはその人の胸のなかを見たがるのかもしれません……


 その日わたしたちが話題にしたのは「悪いことについて」。
「その一、悪いことを」果林はこんなふうに切り出したのです。
「いかにしてするのか?」
「え? 何。わたし今日、ひさしぶりの早番だったんだ。もっと軽い話題はないの?」
「いいんだよ、重くても」
「それは、あなたはね。それで、どんなことを言えばいいの」
「たとえば、ね……」
「たとえば」思いついたわたしがさえぎっ
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