Ticket To Ride。/田中宏輔
 
すべてが変化する。
とどまるものは、なにひとつないという。
だから、むなしいと感じるひともいれば
だから、おもしろいと感じるひともいる。
詩を書いていると、しばしば思うのですけれど
象徴が、ぼくのことをもてあそんでいるのではないかと。
ひとが象徴をもてあそんでいるというよりは
象徴が、ひとをもてあそぶということですね。
ぼくのなかに訪れ、変化し、立ち去っていくものに
さよならを言おう。
ぼくのなかのものと恋をし、別れ、
また、別のものと恋をするものを祝福しよう。
ぼくのなかに訪れる顔はいつも新しい。
ぼくのなかで生まれ、ぼくのなかで滅んでいくもの
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