入退院後の日記/由比良 倖
 
うようには生きていけない、途方に暮れた人たちが、もしかしたらそこでだけは、自分の存在理由のようなものを感じられるような、人との関係性を、寂しくても少しだけ保てるような場所なのだろうか?、それとも、どうなんだろう……。「さあみんなでダンスをして仲良くなりましょう」みたいな、今までの薄暗い僕の実情とは違う、明るすぎる場所だったらどうしよう、とか、逆に俯いた人たちが、何か諦めているような表情で、みんな仕方なくそこにいて、生きていても関わっていても仕方が無い、という雰囲気で、誰も他人に無関心だったりしたらどうしよう、それとも淡々と、めいめいが席について職業訓練(想像も付かない)を、黙々と行っているような、
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