源氏 其の二/藤原絵理子
 
紅葉賀
散りゆくをあはれとおもへ 色おほき打ち振る袖にゆかりとぞ見る

花宴
あづさゆみいるさの山の端の月の 入るをせかすなしののめの鳥


かぎりあるちぎりのはてをうらみわび ゆくへも知らでけぶりたなびく

賢木
そのかみにしをりし枝もかくまじと 露けき野辺にまどひぬるかな

花散里
かたらひし閨のひまよりさしいるる えぞしのばれぬよはの月かげ

須磨
わたつみの横雲そむるゆふづくひ 恋ふるを知るや浦人が袖
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