私が子どもを殺さない理由/佐々宝砂
崎勤じゃない。小林薫じゃない。絶対に、ちがう。私はあんな犯罪を犯したりしない。子どもを監禁しない。殺さない。誓う。誠心誠意、心の底から、誓う。感情的な理由ではなく、利他的な理由でもなく、非常に利己的な理由で、私は犯罪を犯さない。犯したくない。もし私が性犯罪や監禁罪を犯したら、いま以上に「表現の自由を制限しよう」という動きが強まるだろう。私はとてもホラーを大事に思う。しかし、ホラーには、ヒトサマに好まれない面がたくさんある。不快な表現、残虐表現がついてまわる。表現の自由が制限されるとたいへんこまる。制限される表現は、まず性描写と残酷描写だと予想されるからだ。私が表現の自由を叫ぶのは、表現者としての倫
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