地震/
藤原絵理子
異国の言葉とびかう
井戸は若狭につながっている
帰省していた彼は
重い瓦に押しつぶされた
壁は厳然とそこにあって
何が起こってもくずれない
宇宙が一点に収斂しても
また膨張して壁が現れる
繰り返しだけが永遠
アメーバの見る夢は
原子の連なりをつむぐ
天罰だと言った人は
その国のありようが天罰だということを
知らないでいる
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