青空とレモネード?/朧月夜
 
*レモネード1


 初対面の君とあんなにも長く話し込んでしまったことが、僕にとっては意外だった。でも、案外芸術家というのは皆そういうものなのかもしれない。自分以外は皆お客さん、そういう立場で君も絵を描いていたのかもしれない。

 ただ、気になることが一つだけあった。君は別れ際に、毅然とした声でこう言った。

「でもやっぱり、わたしの絵には余白が必要なんだ。これは変えられないよ」

「うん。君自身のやり方を貫くと良いと思う」

 僕はなんとなくそう答えた。そう答えるのが良いような気がした。それが例え間違っていることでも。

 芸術家には芸術家のプライドがある。しか
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