/おやすみ
 

 ヴィレヴァンで詩集を買って

  満月の夜に読まずに捨てる



 彗星のように空に堕ちて

  咲く花があればいいのにね



 夢の中なら泣けるのに

  小鳥の真似して口を噤む



 わたしが死にたいって思ったときに

  知らないだれかの靴紐がほどけますように



 拾ってきた猫におやすみという名前を付ける

  おやすみ、家族なんていらないんだよ

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