青空とレモネード?/朧月夜
このせまい場所をそっと歩いて下さい
豊饒な広い土地も
このエメラルドの光が囲む
この胸ほど広くはない
――エミリー・ディキンスン
*青空1
それは、空から1個のレモンが落ちてきたようなものだった。僕はそれをつかんで手のひらの上に乗せる。でも、皮を?くことは出来ない。ただ、手のひらの上の1個のレモンを見つめていることしか出来なかった。そして、そして……
* * *
僕たちの青春はそんなふうに過ぎていった。「そんなふうに」なんて書けば、読み手の誰もが戸惑ってしまうだろう。「そんなふうに
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