夜間飛行/リリー
 
 辺り一面
 風 逆巻いて
 身体の浮き上がりそう

 其処に 貴方が居るから
 無条件でしがみ付く

 「あ、今度はジャンボ機や!」
 黒壇の様な空に灯る
 右翼端の緑
 左翼端の赤
 不動光は高度を下げて
 真っ正面に 
 迫り来る アルミニウム合金の胴体

 (気流で押し潰されるのではないか、
  逃げる場所が無い!)
 丈高く肩幅広い
 近頃メタボチェックを気にするようになった
 貴方のお腹へ 抱きつく私
 
 関西空港へ着陸して行く飛行機で胸が躍る

 「もう僕のデートスポットの引き出しは、
  無くなってきたよ。」
 片手で頭を掻きながら呟く貴方からの
 クリスマスプレゼント

 「ありがとう!」
 の声も大きくなる
 二人、見上げる
 また近付いて来たNavigation Light

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