澎湃/リリー
 
 四国に続く山脈に
 雪が積り
 社の石段に降る雨に
 心を洗った後

 醜く見える貴方の顔

 その薄い唇に
 私の唇触れた事が嫌悪を誘ったとしても
 私の責任ではない

 何処かの居酒屋で
 貴方が 以前にもまして暗い目をして
 酒をのんでいても
 知った事ではない

 グラスの氷にゆれるウイスキー

  舳先にティンカーベルをのせて
  琥珀の海を
  白金の帆、はためかせるヨットが進む
  ほんの時折
  ティンカーベルは思い出した様に鈴を鳴らす
  やきもちをやくのか
  私が一人で
  陽の果てる地点に没しようとするのに

 私が貴方を捨てて
 恋を捨てた感情の高まりは
 やがて 私自身を狂わせてしまうかもしれない


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