音楽と精霊たち?/朧月夜
だ、不思議な現象が起こったことは間違いなかった。葉子は人形たちが話す言葉を聞いた。
「彼ら」は、この家でずっと生きていた。そして、今も生きている。だからこそ、その声が聞こえてきたのだろう。
弟とは、頻繁にではないけれど、以前よりも多くの会話をするようになった。メールや電話で、葉子は弟と話をした。弟は、葉子がついに作曲家になったのだと考えていた。アップロードされた動画を褒めてくれることもあった。それは依然として両親のかつての思いには反することだったが……葉子はこれまでよりももっと、ずっと、自分の道を思いを実践出来ているような気がした。
親ゆえの心配、というのは杞憂に終わった。今
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