音楽と精霊たち?/朧月夜
較的近代に入ってからであること、などを教えた。
例えば日本の音階でも、47抜き音階というものがあって、「ファ」の音や「シ」の音というのは本来は存在しない。そうした音階でも成り立つ音楽があること、などを生徒たちに教えた。彼らは興味を持って聞いていたし、あるいはその中から未来の音楽家が生まれるかもしれなかった。
(音楽というものにもっと興味を持ってもらえれば、それで良い)
と葉子は思った。
あの日以来、葉子は即興の曲を書きためていった。ただし、譜面に起こすことは滅多になく、ただ気持ちの赴くままに演奏をして、それを音源として録音した。それは次第に膨大な数になっていった。
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