腹じゃないものが飢えてる/
ホロウ・シカエルボク
てしまう、裏の家の屋根に居る猫が鳴き続けている、神経症の患者の患者の癇癪みたいな鳴き方をするんだ、それからグラタンを皿から剥がして捨てる、冷え切ったそいつからはどんな臭いも伝わっては来ない、グラタンを捨てたビニール袋を一回り大きなビニール袋でくるんできつく縛る、怠惰からは無駄しか生まれることはない、一日は騙し絵のように鈍重に過ぎて行く、太陽が西の窓を威嚇する時間になれば、もう起きていることにも飽きてしまうだろう。
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