昔の駄文「私の信条」/佐々宝砂
のごとが裏表両面から見えてくる。たとえば、自分から見たら恋人は他者だ。しかし同時に、恋人から見たら自分は他者なのである。相手に「私」のことはわからないのだ。相手が「私」にとって脅威であるのと同様に、相手にとって「私」は脅威なのだ。だから私は他者を尊重するべきだと思う。尊重しあえないとしたら、ロクな未来はない。
こういうとこに何かを書くとき、どんな人がここを読んでいるか、ほんとうは、わからない。ムスリムも読んでいるかもしれない。そうでないという保証はどこにもない。他者である読者を、私は傷つけたくない。なおかつ私は反論に対する用意もしておかねばならない。また、他者が相手なのだから、明快にわかりやすく書かねばならないと思うし、くどくもなる。
いろいろ考えすぎて疲れるのである。
2001.9.19日に書いたもの
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