昔の駄文「私の信条」/佐々宝砂
 
ても私は怒らない。怒らないできちんと話し合うべきだと思う。母は他者だから。また、ムスリム(イスラム教徒)の誰かがテロを実行したからとて、私はムスリムのすべてを非難したりはしない。ムスリムすべてが均一にテロを支持しているわけではないから。

とにかくまわりはみな他者で、みな自分とは違う。だから自分の恋人のことを考えるにしても、想像力をうんっと働かせなくてはならない。「あのヒトいま何をしてるのカナ」なんて空想するのとは違うよ。私が言うのは、空想ではなくて、想像だ。他者の内面という実際にはわかりもしないことを推測するのだ。たとえば「こう言ったらあのひとはなんて答えるだろう」と推理するのだ。そしてその
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