昔の駄文「私の信条」/佐々宝砂
私の信条、というのは実はおそろしく単純で、ひとことで言える。
「他者を尊重する」
これだけである。だから他者の詩も尊重するし、他者の信条や宗教や思想も尊重する。意見が対立するときは議論するし、つまらん詩に対してはつまらんと言うけれども、他者の存在そのものをおびやかすことだけは絶対にしたくない。この信条の他に、特に議論する際になるべく守ろうと思っている原則がいくつかあって、それは、
「事実に即して具体的にものを言う」
「何かを絶対視しない」
「よく知らないで何かをじっぱひとからげにしない」
なのである。これらの信条だの原則だののいくつかは、「他者の発見」に由来するものだ。
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