ritual/医ヰ嶋蠱毒
大理石の卓に着く
フラスコの裡の繁殖したオルギア、殺戮の若木は裁定を受け
東亞の電気都市に咲く蝙蝠傘の大群
ネオンを帯びた酸性雨に濡れながら
少女は義眼を嵌め死んだ飼い猫を火葬しにゆく
「祈りは絶望のミメシスとして私を侵す」
黄昏の運河を眺望する稀薄な意識の残滓は遂に深淵へ潜行する
軈てネビュラの遥かより来る暗闇が水飴のように盆を満たして鈍く耀き
少女はカンヴァスに描かれた自らの肖像の片腕を贄として
永い睡りに沈んだ儘の旧き者を讃える秘儀を
破瓜の苦痛を伴いながら幼い子宮へ秘匿された万象を
一篇の詩として暴き出すから
「もうたすからない」
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