gastronome 21-30/AB(なかほど)
 

まさるの家で山羊汁があると聞いて出かけた
子供のうちは山羊の脂に中るということで
その場に呼ばれることはない
 
 

その時計の狂っていることを祈りながら
向かいの能登屋の蒸し器からもれる湯気
をぼんやり眺めながら
 
 
 
カラカラリンと卒園式
はじめてのさよならは
カルピスの味
 
 
 
なにか? とあまりにも涼し気に微笑む君
のせいで、僕はとりあえず牛乳飲んで
落ち着こうと思う。確か僕は
 
 
 
参道下の古ぼけた店で
岩魚の塩焼きを齧る
雨が降ってるのでゆっくりと齧る
 
 
 
深秋の空きっ腹と夜を更かすコオロギだよ
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