みづしらずのはな/あらい
 
なった鶺鴒 
    悄然ショウゼンと
    犇ヒシと
   鋲で打ち付けた表現 
    売り家 
   わずかにはなれたところで
    守宮、
    生け贄にも。 
   うねりあげるこころを

    それで。

行灯。たずねている、
  手紙という 名の 濁った蝶だ
 そのひかり 蛇だ、
まもなく 躊躇う。

かたちとして 蝙蝠が、しのびよる うみのような
そだてあげる 風に応える、ひらひらとするところ

――天窓越しに とりこまれて。
  派手 に 暗い 衛星 が だまって いない
  はっきり と した 雪虫 でも 意に 沿わない
  井戸裏から 欠けて くる。――
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